皆さんはイヤミスと呼ばれる小説のジャンルをご存知でしょうか?
イヤミスとはミステリー小説の一種で、読んだ後に後味の悪い嫌な気分になる小説をさします。
マギー
なんともいえない旨のざわつきがあって、ついつい読みたくなってしまうジャンルの1つですよね。
イヤミスというジャンルは、明確にカテゴリー分けされているわけではないのでAmazonなどで探すのは難しいです。
そこでこの記事では、クラウドワークスで募集した口コミを元におすすめできるイヤミスを紹介します。
記事の最後にイヤミスを無料で楽しむ方法も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
おすすめのイヤミス12選
この章ではクラウドワークスで募集した読書好きの口コミを元に、おすすめのイヤミスを12冊紹介します。
告白
湊かなえの『告白』は、イヤミスの定番とも言える作品です。
登場人物たちの誰もが秘密を抱えており、その秘密が徐々に明らかになるにつれて、読んでいるとどんどんイヤな気持ちにさせられます。
リバース
30代女性
出てくる登場人物全員が怪しすぎて、一体誰が犯人なのか分からず、一気に読みたくなる作品です。湊さんの作品らしく、描写が丁寧で、一人一人の人間らしさが滲み出ています。人間関係の恐ろしさを感じながらも良い意味でゾクゾクできます。
『リバース』は、深い罪の意識にさいなまれる主人公が、過去の事件に迫る心理サスペンスです。
湊先生らしい緻密な人物描写が、読者を惹きつけます。
殺戮にいたる病
20代男性
序、中盤までは平凡でありふれた家庭に訪れた、息子に対する疑惑がラスト数ページで誰も予想できなかったどんでん返しによって読者の鼻が明かされる。猟奇的殺人の細かな描写、殺人者の理解し難い行動心理が鮮明に描かれており、非常におすすめです。
『殺戮にいたる病』は我孫子武丸による心理ホラーミステリー小説です。
ラストの展開は必見です。
白夜行
30代女性
残酷すぎる運命に翻弄される主人公の雪穂と亮司の行動から目が離せません。2人の行いは決して許されるものではないですが、それでも応援してしまいたくなってしまいます。切なすぎる展開に胸が苦しくなり、そのなんとも言えないやるせなさが心に残り続ける作品です。
白夜行は2006年にドラマ化もされている作品です。
主人公2人の過去や生い立ちが明らかになるにつれ、なんとも家ない心情になります。
OUT
40代女性
普通の主婦が事件を通して、最悪な泥沼にはまっていく姿がとてもリアルです。
人間の嫌な部分、見たくない部分が丁寧に描かれており、本当に嫌な気分になります。
自分にも重なるようなところがあるような気がする、女性には共感できる作品だと思います。
グロテスク
40代女性
とにかく女性のドロドロした部分が嫌になる。いまの自分にはなく全く理解できない感情ではあるが、「いつか自分もこうなってしまうかもしれないのかな。」と不安にさせるような小説です。読み終わったあと本当にぐったりしました。
女性の自意識、コンプレックス、嫉妬、承認欲求などをが様々なエピソードで描かれている作品です。
ボトルネック
20代女性
読み進めていくうちに、真綿で首を絞められるみたいな、主人公と一緒に徐々に疲弊していくような感覚に陥ります。謎が解けた瞬間が1番苦しい気持ちになりました。それなのに読み返したくなってしまいその日は眠れなくなります。
ユリゴコロ
20代女性
ストーリーや内容がとにかく生々しいので、その生々しさだけでも嫌な気持ちになってしまいますし、更には話が進んで全貌が明らかになっていく展開で二重三重のように不愉快な気持ちが押し寄せてくるので、読み続けるには勇気が必要でした。
主人公が実家で見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。
このノートに書かれている手記によって主人公の人生が一変させられてしまう、恋愛ミステリーです。
暗黒女子
20代女性
一人一人の視点によって段々と明瞭度が増していく事件。しかし同時に矛盾となってくるポイントに嫌な胸騒ぎを覚えながらも純粋な興味によって読む手が止まらなくなります。そして、終盤に待ち構えている衝撃かつ胸糞の悪い事件の全貌大放出が至高のイヤミスだと思いました。
学園のマドンナであるいつみの死の真相を巡るミステリー諸説です。
それぞれのの視点から見えるいつみの裏の顔と、いつみを殺した真犯人を知ったときゾクッと鳥肌が立ちました。
護られなかった者たちへ
40代男性
始まりは有りがちな事件ではあるものの、その事件を解決に向かっている過程の中で不可解な事が次から次へと起きていき、それも全く予想も出来ない事だったので興味津々になれました。また、とにかくいい意味で期待を裏切られたような気分にもなったので、心をひっくり返されたような感情にもなれ、おすすめです。
震災から10年がたった先代を舞台に描かれた社会はミステリーです。
公私ともに人格者として知られる三雲はなぜ殺されてしまったのか、考えさせられる作品です。
白雪姫殺人事件
20代女性
この作品は1章1人の人物の語りで描かれている。そこには一人ひとりの主観が語られている。章が進むごとに少しずつ事件の真相が見え隠れしていくとともに、人の主観の頼りなさとインターネットでの情報の強い影響力が感じられ、そこに恐ろしさを感じていく。作品はフィクションの物語に違いないのに、自分の身近にもあり得るということがリアルに感じられ恐怖を感じる作品。
模倣犯
40代女性
宮部みゆきの長編で、文庫版で全5冊にもわたる超大作です。完璧なサイコパスの話で、次々と女性が犯人の毒牙にかかり、速やかに殺されてしまう様子が読んでいて辛くなります。サイコパスの考えること、思考回路がわからないのもリアルで怖いです。
おすすめのイヤミス作家
クラウドワークスでおすすめのイヤミスをおすすめをしたなかで特に人気の高かった作家さんについても紹介します。
湊 かなえ
イヤミスで検索すると湊かなえさん名前が最初に上がってくるくらい、イヤミスの名手として知られています。
クラウドワークスでの口コミ調査でも湊さんの多くの作品が上がりました。
Nのために
20代女性
知りたくて仕方がなかった事件の全貌はきっちり知ることが出来るものの、こうなって欲しかったという希望的観測を含む個人的な希望は何一つとして叶わないところにイヤミスならではの醍醐味が大いに感じ取れました。
沼田まほかる
沼田まほかるさんは、湊かなえさんと並んでイヤミスの三大女王と言われている小説家です。
ユリゴコロ、九月が永遠に続けば、彼女がその名を知らない鳥たちがおすすめのイヤミスとして名前が上がりました。
九月が永遠に続けば
40代男性
とにかく可哀想だと感じてしまうくらいに不幸が次々に訪れてしまうので、読んでいてもだんだん心が痛んできますし、人間が追い詰められるとこうなってしまうのかと考えながら読むと、自分の事を当て嵌めながら感情移入できるので、おすすめです。
紹介文
米澤 穂信
米澤 穂信さんは岐阜県出身のミステリー作家です。
前述したボトルネックの他に、儚い羊たちの祝宴、満願、真実の10メートル手前がおすすめのイヤミスとして上がりました。
儚い羊たちの祝宴
30代女性
読書サークル「バベルの塔」をめぐるミステリー短編集なのですが、どのお話も読み終わって考えてみるとゾッとします。どのお話もメイドさんが出てくるのですが、米澤穂信さんらしいというか、この方しか書けないような日常的かつ幻想的なイヤミスになっています。
紹介文
道尾 秀介
道尾秀介さんは、向日葵の咲かない夏が2009年にベストセラーとなった作家さんです。
向日葵の咲かない夏の他に、いけないや雷神もおすすめのイヤミスとして名前が上がりました。
向日葵の咲かない夏
30代男性
読んでいる最中に、一体どういうことなのか彷徨いに彷徨った作品。小学生が主人公である物語のため、読み始めは複雑になることは考えていなかったが、段々と自分が迷路に入っていることに気がつかされ、読み終えると自分は迷路から脱出できたのかどうかも分からぬまま、イヤな気持ちで終わる。ミステリー特有のスッキリした感覚はないが、最終的な驚きはあるため、おすすめ。
紹介文
辻村 深月
辻村 深月さんは、今SNSで圧倒的な指示を集める「傲慢と善良」の著者です。
太陽の坐る場所、水底フェスタがおすすめのイヤミスとして口コミに上がりました。
水底フェスタ
20代女性
辻村深月なら読後感はいいはずだと思って読んだのだけれど思いっきり期待をくつがえす展開でした。閉鎖された村の独特な雰囲気、そこから抜け出そうとあらがった人たち、そして恋心。村の内部のドロドロ加減は度を越していて、ここまで来ると気持ちがいいほど。途中までは明るい元気なミュージックフェスタと健全な家庭、自然あふれる環境が楽しめます。そしてこの三つの素材が生かされて一気にラストへ突入し。イヤミスでモヤモヤな読後感の中爽やかな高原の空気が残る不思議な仕上がり。一筋縄ではいかないミステリです。
映画化されているイヤミス
イヤミスの中には映画化されている作品も多数あります。
この章では映画化されたイヤミスの中からおすすめの作品を紹介します。
告白
舞台は中学校のとある教室。終業式後の雑然としたホームルームで教壇に立つのは、1年B組の担任教師である森口悠子。そんな何気ない日常の一コマで森口先生が発する衝撃的な告白からこの物語はスタートします。その告白をキッカケに犯人探しが始まり、さらなる事件を生んでいきます。
40代女性
まず冒頭の森口先生から生徒への衝撃的な告白がショッキングすぎて、初めから心を鷲掴みにされます。そして何よりも秀逸なのがストーリー展開で、級友や犯人や家族などさまざまな視点から順に語られていく構成が人間のずるさや弱さや客観性の無さを表していて面白いです。
少女
死体を見たという転校生の話を聞いて以来、主人公の由紀は人が死ぬ瞬間を見てみたいという願望がふくらんで、小児病棟のボランティアを始める。同じように親友の敦子も人が死ぬ瞬間を見て生きる活力を取り戻そうとして老人ホームのボランティアを始める。
50代男性
映画化されて人気を集めた『告白』の作者でもある湊かなえの小説が原作で、本田翼と山本美月のコンビがみずみずしい好演を見せているほか、第3の女を演じた佐藤玲の存在感が光っている。いやミス映画の歴史に残る名助演と言っていいと思う。
暗黒女子
ある高校で、その高校の生徒の中でもマドンナ的存在で非常に目立っていた女子生徒が亡くなってしまいました。誰がその女子生徒を殺害したのか、容疑をかけられた生徒の噂も流れていき、次第に真相が明かされていきます。
50代女性
サークルの生徒たちの証言が、それぞれ少し被ってはいるもののズレていくのが面白いです。
「この子の視点だとそう見えるのか」といった認識のズレがありました。
しかもそれぞれ恐らく嘘をついている。
あちこちに伏線があり、それが絡み合ったまま終盤へ突き進んでいく勢いがたまりません。
物語の設定上、登場するのは若手の女優さんですが、演技もさほど違和感はありませんでした。
衝撃のクライマックスとサークルの生徒たちが選んだ結末は、なんとも言えない後味の悪さで、強く印象に残る作品でした。
白雪姫殺人事件
あるOL(典子)が何者かに殺された。そのOLの同僚の美姫が失踪し、典子を殺した殺人犯と疑われてしまう。TVディレクターの赤星は典子と美姫の同僚や関係者に取材をし真相を突き止めようとする。そこから様々な事実が浮き彫りになる。
20代女性
この映画は人の記憶の曖昧さや思い込みが大きなテーマになっています。人は見たものを自分の信じたいように思いこむ人間だと知り少しぞっとしました。本格ミステリーなので、ずっとハラハラしながら見ることができます。美姫役の井上真央さんの演技がとても素晴らしいのもこの映画のポイントです。
太陽のある場所
高校時代に学校からの人気を集め、クラスの女王だった響子とクラスの隅っこででひっそりとしていた同じ名前を持つ今日子がある日を境に正反対の人生を歩んでいきます。
そして高校卒業から10年後、同窓会で二人はまた出会い、10年前の真実を知っていく映画です。
20代女性
まず二人の女優さんの演技がとても良く、過去と現在のシーンが繰り返し交差されるので、飽きずに見れて、そして終盤になって段々と真実が明かされるのは見ていてハラハラしました。
見終わった後は何とも言えない後味の悪さがあるものの、もう一回見たくなる作品でした
彼女がその名を知らない鳥たち
堕落した人生を送るある女性が、ストーカー気質の男性と依存しあいながらも本当の愛とはなにか、幸福とはなにか、生きるということについて考えさせられる内容です。
30代女性
最初は内容が不快で、登場人物の印象が最悪なので見るに耐えないシーンもあるのですが、最後のラストシーンで思いがけない展開になり、人間の虚しさについて考えさせられます。
イヤミスを無料で読む方法
今回紹介したイヤミスの多くは単行本または電子書籍を購入する必要があります。
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マギー
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この記事で紹介した以下の書籍もオーディブルの対象です。
タイトル | 著者 | ナレーター | 再生時間 |
---|---|---|---|
告白 | 湊 かなえ | 橋本 愛 | 8 時間 20 分 |
リバース | 湊 かなえ | 藤原 竜也 | 8 時間 30 分 |
Nのために | 湊 かなえ | 榮倉 奈々 | 8 時間 9 分 |
少女 | 湊 かなえ | 稲垣 吾郎 | 8 時間 46 分 |
母性 | 湊 かなえ | 戸田 恵梨香 | 8 時間 56 分 |
模倣犯 | 宮部みゆき | 加藤 将之 | 16 時間 48 分 |
満願 | 米澤 穂信 | 星 祐樹, ささき のぞみ | 10 時間 32 分 |
儚い羊たちの祝宴 | 米澤 穂信 | 飯野めぐみ | 9 時間 22 分 |
いけない | 道尾秀介 | 中村 友紀 | 7 時間 36 分 |
オーディブルではプロの声優が小説を朗読してくれるので、より小説の世界観に入り込めます。
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オーディブルの評判についてはこちらの記事で紹介しています。
30代女性
イヤミスが多い湊先生の作品の中でも、ストーリーも、主人公の行動も、主人公に復讐される男子生徒たちの身勝手さも、何もかもが嫌な気分になるというか、理由が分かっても同情できない作品でした。読んだ者が追い詰められるほど、人間の嫌な面が的確に冷静に描かれていて、イヤミスとしてはすごいなと思います。